関連情報

Information & News

第32回 地球環境大賞 授賞式

地球環境大賞受賞の森ビル・辻社長「全力で責任果たす」 明治記念館で授賞式

第32回地球環境大賞を受賞し、フジサンケイグループの日枝久代表(手前右)から表彰状を受け取る森ビルの辻慎吾社長=4日午後、東京都港区の明治記念館(斉藤佳憲撮影)

地球温暖化防止や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に取り組み、成果を挙げている企業・団体などを表彰する第32回「地球環境大賞」(主催・フジサンケイグループ)の授賞式が4日、秋篠宮ご夫妻をお迎えして東京・元赤坂の明治記念館で開かれた。大賞に輝いた森ビルの辻慎吾社長に表彰状とトロフィーが手渡された。

秋篠宮さまはお言葉で「皆様の今までのご努力に対し、深く敬意を表します」と述べられた。

式典では、都心の複合ビルが立ち並ぶコンパクトシティーに豊かな緑地空間と先進システムを設置した森ビルの辻社長が「私たちの都市モデルが国内外の都市づくりに良い影響をもたらし、未来を切り開くことにつながるよう、全力で責任を果たす」とあいさつした。

フジサンケイグループの日枝久代表は、「持続可能な地球の明るい未来の実現には、私たち一人ひとりが英知を結集し、強い決意とともに行動しなければならない」と呼びかけた。

地球環境大賞顕彰制度委員会の委員長を務める三井不動産の岩沙弘道相談役は「本賞の社会的な評価をさらに高め、これからも社会・経済の持続的発展の一助となるよう努めていく」と述べた。

秋篠宮さまのお言葉全文

第32回地球環境大賞の授賞式でお言葉を述べられる秋篠宮さま=4日午後、東京都港区の明治記念館(鴨川一也撮影)

本日、第32回「地球環境大賞」の授賞式が開催され、皆様とともに、出席できましたことを大変嬉しく思います。そして、この度賞を受賞される方々に心からお祝いを申し上げます。

皆様が、今までに行ってこられた種々の取り組みは、環境に配慮したまちづくりや製品の販売、水処理技術の開発やプラスチック使用量の削減、CO2削減やリサイクル技術の確立など、地球環境の保全や自然との共存に大きく寄与するものであります。ここに皆様の今までのご努力に対し、深く敬意を表します。

近年、気候変動への対応や生物多様性の保全、廃棄プラスチックによる海洋汚染など、環境諸問題への人々の関心と意識は非常に高くなるとともに、グローバルな展開を見せていると感じることが多々あります。

また環境に関することとしては、気候変動が大きな要因とみられる自然災害が世界各地で発生しています。我が国でも、毎年のように豪雨による大きな被害が生じていますし、渇水と高温による農作物への影響もあります。

さらに、これら地球環境に関わる諸問題を考えるとき、自然環境の保全とあわせて、自然災害についての意識を高めていく必要性も強く感じています。

今年の元日に発生した能登半島地震では、大変残念なことに多くの人々が亡くなり、そして今も困難な暮らしを送っている方々が多数おられます。また、昨日は、台湾で地震が発生し、多くの方々が被災されました。この現状に心を痛め、そして、あらためて防災や減災の必要性に思いをいたしております。

さて、本年で32回目を迎えた地球環境大賞は、環境を守りながら発展する産業や、持続可能な循環型社会の実現に寄与する製品や技術の開発など、環境保全への取り組みを顕彰するとともに、社会への貢献を目的として創設されました。

爾来、産業界はもとより、自治体、学校、市民グループへと表彰の対象を広げ、環境保全と災害への対応に熱心に取り組む人々を広く顕彰し、地球環境の保全や環境意識を高める役割を担ってきました。

現在、国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsに多くの人たちが関心を向けるようになりました。そのようななか、2023年の「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議」で採択された文書には、パリ協定の目標達成のための緊急的な行動の必要性や、2025年までの世界全体の温室効果ガス排出量ピークアウトなどが明記されました。

環境に関する諸問題の重要性は不変であり、今後とも、日本の優れた環境関連技術や知識をもって世界に貢献していくことが求められましょう。その意味でも、国際社会のモデルとなるような優れた実績を積み重ねていくことは、誠に意義深く大切なことと考えます。

おわりに、本年の受賞者をはじめとする皆様が、これまでにも増して温暖化の防止など、地球環境の保全や自然との共存に積極的に取り組んでいかれることを期待いたします。そして、それらの活動がより一層広がりを見せることを祈念し、本式典に寄せる言葉といたします。

秋篠宮ご夫妻、第32回地球環境大賞受賞者とご懇談 ねぎらいの言葉おかけに

第32回地球環境大賞の懇談会に臨席される秋篠宮ご夫妻=4日午後、明治記念館(斉藤佳憲撮影)

東京・元赤坂の明治記念館で4日、開催された第32回「地球環境大賞」授賞式。秋篠宮ご夫妻は式典への臨席に先立ち受賞者らと懇談し、一人一人にねぎらいの言葉をかけられた。

大賞に輝いた森ビルの辻慎吾社長によると、ご夫妻は懇談の場で、同社が取り組む緑地空間の創出について熱心に聞かれたといい、辻社長は「受賞を励みに環境問題に取り組んでいこうと改めて思った」と話した。

また、秋篠宮さまは、環境に配慮した複合機を発売し、経済産業大臣賞を受賞したリコーの大山晃社長に「(開発過程などが)とても大変だったでしょうね」と寄り添われたという。

秋篠宮妃紀子さまは、環境大臣賞に選ばれた東レの「水処理膜」について、大矢光雄社長から話をお聞きに。水処理膜が、能登半島地震の被災地の浄水にも使われたことについて「役立ったんですね」と述べられたという。

ご夫妻は、プラスチックを使用しない水田肥料の開発に取り組み、文部科学大臣賞を受賞した宮城県農業高校3年、星碧虎(あおと)さんとも言葉を交わされた。星さんは懇談後、「自分たちの活動を伝えられてうれしかった」と話した。


▲一覧に戻る